少し前からですが、アーティストの方から割と要望をいただく件として、
「ポリゴンメッシュの凹面を自動判別する機能」があります。
早めに開発着手したかったのですが、なかなか手が空かず、
時間ばかりいただいてしまいました。。
で、ちょうど年末年始、数学に強い従兄の助言もいただき、
時間のあるこの時期に大体形にしてみたので、こちらでも紹介します。
■どうやって凹凸を判別するか?
チェックするポリゴンは4頂点の4角形であることが前提です。
そもそも3角形だったら平面だし。5角形だったらそもそもポリゴン割れし。
で、仕組みはこうです。
ずばり内積と外積を使います。
ベクトルの内積と外積を使って、4頂点のうち、
3頂点の平面から見た残りの1点の位置を判別します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
かんたんに外積:
2つのベクトルに垂直なベクトルを算出します。
かんたんに内積:
ベクトルAをベクトルBに成分分解したときの、そのベクトルの長さを求めます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その手順は…、
①3頂点で作る、1点から伸びる2本のベクトルの外積を出して、
この3角形に垂直なベクトルを算出します。
②残り1頂点で作るベクトルと、①の三角形に垂直なベクトルの内積を求めます。
この内積の値が正か負かで、残りの1点の位置が算出できるはずです。
■しかし、ポリゴンのみかたで凹か凸かが変わってしまう。
この4頂点ですが…
こうみるか
こうみるかで、凹か凸かが変わってしまいます。
要は、どの頂点を判別するのか、準点を定める必要があるわけです。
ここは、判別の基準をアーティストさんに確認する必要がありますが、、、
とりあえず、一度Triangulateをかけた時の形状が、凹か凸かを判別するように
考えることにしました。
要は、このポリゴンを…
Triangulateをかけて…
この3角形に含まれない頂点…
つまり、この頂点を判別することにします。
■melに便利なコマンドが
melにズバリ、内積・外積を算出するコマンドがあるので、これを使うっきゃない。
外積:cross http://download.autodesk.com/global/docs/maya2014/ja_jp/Commands/cross.html
内積:dot http://download.autodesk.com/global/docs/maya2014/ja_jp/Commands/dot.html
しかし、頂点計算など、数が多い処理は全てmelで処理するには重たすぎるので、
基本はすべてpythonで書くことにし、pythonからmelプロシージャを呼び出すようにします。
そんな感じで、ぱっと作ってみました。
※使用方法は、mel文を先に実行しておくか、sourceコマンドで読んでおいた上で
ポリゴンを選択し、python文を実行します。
すると、凹んだ角形のみが選択された状態で終了します。
実際にまだ使っていないので、信頼性は低いですが。
いろいろテストなどして、ブラッシュアップしていこうと思います。
以下ソース
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